そのつぶやきのすぐあとに来るのが、「まあ、明日には戻るし」ではないでしょうか。
戻るなら、それでいいのです。困るのは、戻らないときと、戻るけれど毎日つらいとき。この2つは打つ手が変わってきます。
順番だけ、先に決めておきましょう。切り分けに1分。そのあとで、手当てと習慣に進みます。
INDEX
夕方の足のむくみでよく聞く6つの声

同じ足のむくみでも、いちばん気にしている点は人によって違います。
・夕方になると靴がきつい。朝はすんなり履けたのに
・靴下の跡が、お風呂に入るころまで消えない
・マッサージの動画がたくさんあって、結局どれをやればいいのか分からない
・むくみが取れたら、この脚は少しは細くなるのかな
・立ち仕事だから仕方ないといわれるけれど、夜はつらい
・片足だけ気になる。これって放っておいていいの
最後のひとつだけ、性質が違います。片足だけかどうかは、医学的にも意味のある分かれ道です。ケアの紹介より先に切り分けを置いたのは、そのためでした。
足のむくみはなぜ夕方に強くなるのか

むくみは、体の水分が血管の外にしみ出てたまっている状態を指します。そのうちこの記事が扱うのは、姿勢や生活の習慣で起きて、休むと戻る範囲のものです。病気や薬が関わるむくみは道すじが変わるので、あとで切り分けます。
イギリスの公的医療サービスNHSは、足首や足や脚のむくみの原因を2段に分けて示しています。
よくある原因
・同じ姿勢で長く立つこと、座ること
・塩分のとりすぎ
・体重
・妊娠
・薬(血圧の薬、低用量ピル、ホルモン療法、抗うつ薬、ステロイド)
・下肢静脈瘤
・甲状腺の問題
そのほかの原因
・けが(ねんざなど)
・虫刺され
・腎臓・肝臓・心臓の問題
・血栓
・感染
意外に思われるのが、筆頭に置かれた立ちっぱなしと座りっぱなしが、同列に並んでいる点ではないでしょうか。デスクワークの方が「動いていないだけなのに」と感じるのは自然ですが、体から見れば、姿勢が続いていること自体が効いています。
医学解説のStatPearls(米国国立医学図書館のサイトに収載)は、姿勢によって出るむくみについて、静脈の血が戻りにくい状態としばしば関連し、脚を上げると軽くなり、長く立つか座るかで悪くなると説明しています。上下の向きと、戻りやすさ。この2つが効いているわけです。
ご自身がどこに近いか、先に見当をつけておくと読み進めやすいと思います。
・立ち仕事の方|立っている時間そのものが原因の側にあります。座って脚を上げる休憩をどこに挟むかが要になります
・デスクワークの方|座りっぱなしも同じ原因です。あとで出てくる「こまめに立つ」が、いちばん相性のいい手当てになります
・薬を飲んでいる方|NHSが原因に挙げている薬を続けている場合は、セルフケアより先に、処方した医師へ伝えてください
NHSがセルフケアの筆頭に「座れるときは脚を上げる」を、次に「歩くなどの軽い運動で血流をよくする」を置いているのは、どのタイプにも共通して効くからです。
押して戻るかで分かる足のむくみの切り分け

手当てに入る前に、5つだけ確かめます。1分もかかりません。
1|すねを押して、離す
足首の少し上、骨の上あたりを指でそっと数秒押して、離してください。アメリカのクリーブランド・クリニックは、指の跡が数秒以上見えるなら、余分な水分がたまっている可能性が高いとしています。靴下の跡が何時間も消えないというのは、これがずっと続いている状態です。
2|片足か、両足か
StatPearlsの解説では、片足だけのむくみは局所の原因(血栓、皮膚の感染、静脈やリンパの流れのつまりなど)を、両足のむくみは全身の状態(心臓・肝臓・腎臓など)を示唆するとされています。
3|いつから出たか
同じ解説によると、72時間以内に急に出たむくみは、血栓や皮膚の感染、けが、あるいは薬を飲み始めたことと結びつきやすい。反対に、何日も何週間もかけてじわじわ強くなるむくみは、全身の病気を示すことが多いとされています。
4|薬を飲んでいないか
NHSが原因に挙げている薬(血圧の薬、低用量ピル、ホルモン療法、抗うつ薬、ステロイド)を飲んでいませんか。飲み始めが最近でなくても、むくみと薬が関わっていることはあります。当てはまる方は、処方した医師にまず伝えてくださいね。
5|むくみのほかに気になる症状はないか
息切れがする。夜、横になると息苦しい。体重が急に増えた。尿の量が変わった。こうした症状がいっしょに出ているなら、むくみだけの話ではありません。クリーブランド・クリニックも、ほかの症状をともなうむくみは医療者に相談を、としていますよ。
ここからは、この記事なりの整理です。5つを合わせて、両足に出ていて、夕方から夜にかけて強くなり、朝にはある程度戻っていて、該当する薬を飲んでおらず、ほかに気になる症状もない。ここに当てはまる方は、次の手当てから試してみてください。
ただし、当てはまった場合でも数日続けて変わらなければ受診です。両足のむくみが心臓や肝臓や腎臓の状態を示すことがある、とStatPearlsの解説にも書かれています。両足だから安心、ということにはなりません。ひとつでも外れる方は、手当てより先に受診を考えてくださいね。
足のむくみを即効でやわらげる手当て

出典が手当てとして挙げているものから、順に並べます。
脚を心臓より高く上げる
クリーブランド・クリニックは、脚を心臓の高さより上に上げると、たまった水分が流れやすくなるとしています。床に寝て壁に脚を立てかける形でも構いません。ソファに座って足をクッションに乗せるだけでは心臓より低いことが多いので、思っているより高くしてくださいね。
着圧ソックスをはく
同院は、やさしく締めることで血のめぐりを助けるものとして挙げています。軽いものを朝からはき、心地よくいられる時間だけというのが、示されている使い方です。いきなり強いものを長時間ではありません。
こまめに立つ
健康な成人20人を対象にした試験では、20分間ずっと座る、ずっと立つ、1分座って1分立つを繰り返す、の3つを比べています。交互にした場合、座りっぱなしより脚に水分がたまる指標の変化が小さくなりました。参加者は18〜40歳で持病も服薬もない方に限られていますし、測っているのは電気抵抗という間接的な指標です。それでも、座る時間を細かく切るという形そのものは、そのまま真似できますよね。
歩く。靴を見直す
NHSは軽い運動として歩くことを、そして幅が広く、ヒールが低く、ソールがやわらかい靴をすすめています。
エプソムソルトを入れた入浴
クリーブランド・クリニックは15〜20分の入浴も挙げていますが、書き方は控えめです。科学的な裏づけは限られるとしたうえで、手軽さと安さとリスクの低さから多くの医師がすすめている、という紹介のされ方でした。効くから、というより、試して損がないから、に近いですね。
ひとつ補足しておきます。検索するとたくさん出てくるマッサージについて、今回の出典に登場するのはリンパ浮腫という別の状態の治療としてでした(リンパドレナージという手技です)。夕方のむくみの手当てとしては並んでいません。この記事では、並べる順番を出典に合わせています。ツボについては、記載そのものがありませんでした。
むくみをためない毎日の習慣

NHSは、やったほうがいいこととやめたほうがいいことを、対にして示しています。
【やるとよいこと】
・座れるときは、脚や腫れている部分を椅子やクッションに上げる
・歩くなどの軽い運動で血流をよくする
・幅が広く、ヒールが低く、ソールのやわらかい靴を履く
・足を洗って、乾かして、保湿する(感染を防ぐため)
【やめたほうがいいこと】
・長い時間、同じ姿勢で立ったり座ったりする
・きつすぎる服や靴下や靴を身につけるきつすぎる服や靴下や靴を身につける
食事の面では、クリーブランド・クリニックが塩分と炭水化物を控えることを挙げています。
水分については、少していねいに書きますね。同院が示しているのは、飲み物と食事の合計として女性は一日2.7リットル、男性は3.7リットルという数字です。全米アカデミーズ医学研究所の推奨として紹介されていて、そのうち8割が飲み物、2割が食事からという目安も添えられています。女性なら、飲み物としては2リットル強という計算になりますね。体が水分不足を感じると水をため込む、という説明でした。
ただし、心臓や腎臓に持病のある方は、水分量を自己判断で増やさないでください。主治医から量の指示が出ていることがあります。
マグネシウムを多く含む食品(ナッツ、種実類、豆類、キヌアなどの全粒穀物、低脂肪の乳製品、ほうれん草、ダークチョコレート)も挙げられています。サプリメントについては一日200〜400mgでむくみが軽くなることがあるとしつつ、とくに腎臓や心臓に持病のある方は、飲む前に医師へと念を押されています。
むくみが取れたら脚は細くなるのか

VoCでいちばん切実だったのが、この問いでした。ごまかさずに書きます。
むくみは、余分な水分がたまっている状態です。だから水分が引けば、むくんでいた分の太さは戻ります。靴下の跡も、夕方の靴のきつさも変わります。どのくらい変わるかには個人差がありますが、ここは期待していい部分です。
ただ、戻る先は「むくむ前の自分の脚」までです。それ以上は細くなりません。
| 項目 | むくみのケアで変わるか |
|---|---|
| 夕方の足首・ふくらはぎの張り | 変わる |
| 靴下やサンダルの跡 | 変わる |
| 夕方の靴のきつさ | 変わる |
| もともとの脂肪の量 | 変わらない |
| 筋肉のつき方 | 変わらない |
| 骨格 | 変わらない |
※変わり方の大きさには個人差があります。
がっかりされたかもしれません。でも、これが分かっていると手の打ちどころが決まります。夕方だけ気になるならむくみの話。朝から気になるなら、むくみ以外の話。向かう先が変わりますよね。
なお、脚の見え方を左右するものは太さだけではありません。毛穴のポツポツが気になっている方は、▶︎脚のブツブツ「イチゴ脚」はなぜできる?もあわせてどうぞ。
足のむくみで受診する目安と何科に行くか

NHSは、両足がむくんでいて、次のどれかに当てはまる場合に、かかりつけ医へ相談するよう案内しています。
・数日セルフケアをしても良くならない
・だんだん悪くなっている
・心臓・腎臓・脚の静脈に関わる病気と診断されている
クリーブランド・クリニックは、長引く/繰り返す/片足だけ/ほかの症状をともなうむくみについて、医療者に相談をとしています。同院の別の解説では、体の片側だけに出ている場合はすぐに医師へ、深部静脈血栓症のおそれがあるため、と書かれていますよ。
次の症状があるときは、その場で救急の対応を。
・息切れがする、呼吸が苦しい
・胸が締めつけられる、重い、痛い
・咳とともに血が出る
・動悸が強く感じられる
・ふらつく、気が遠くなる、混乱する、吐き気、冷や汗
NHSはこれを、肺に血のかたまりが飛んでいる可能性があるとして、病院での即時の対応が必要な状態としています。
どこに行けばいいか迷ったら、まずはかかりつけ医か内科でよいと思います。NHSの案内も、最初はかかりつけの家庭医へ、という組み立てです。心臓・腎臓・脚の静脈で通院中の方は、その主治医に伝えるのがいちばん早道ですよ。
足のむくみに脱毛は関係あるのか
ここまで読んで、脱毛サロンのメディアがなぜむくみの記事を書いているのか、と思われたかもしれません。
答えは単純です。脱毛はむくみに効きません。ラココに通ってもむくみは取れませんし、そういうケアをしている場所でもありません。それでも書いているのは、脚の悩みとしてよく並んで出てくるからです。
強いていえば、地続きの部分がひとつだけあります。NHSのセルフケアに入っていた「足を洗って、乾かして、保湿する」という項目です。感染を防ぐため、という理由でしたね。
自己処理を続けている脚だと、この保湿の前に、剃ったあとの乾燥やヒリつきをなだめる手間が挟まります。自己処理の回数が減れば、その手間は減る。むくみが軽くなるわけではありませんが、脚に向き合う段取りは短くなりますよ。
ラココでは、やわらかな産毛から、しっかりした剛毛さんの毛まで、痛みに配慮した光脱毛でケアしていきます。なお、赤みやかゆみが強く出ている時期は、肌の状態によってはその日の施術をお受けできない場合があります。肌が敏感になりやすい方や、今の肌状態で受けられるか不安な方は、まずカウンセリングで気軽に相談してみてくださいね。
足のむくみに関するよくある質問
Q. 足のむくみを一瞬で取るツボはありますか?
今回参照した公的な解説には、ツボの記載がありませんでした。裏づけのある順でいうと、脚を心臓より高く上げる、着圧ソックス、こまめに立つ、の3つが先に来ます。
Q. リンパマッサージはやったほうがいいですか?
出典に登場するのは、リンパ浮腫という別の状態の治療としてです。夕方のむくみの手当てとしては挙げられていません。気持ちがいいなら続けて構いませんが、痛いほど押すことに意味はありませんよ。
Q. むくみに効く食べ物はありますか?
クリーブランド・クリニックは、マグネシウムを多く含む食品(ナッツ、豆類、キヌアなどの全粒穀物、ほうれん草など)を挙げています。あわせて、塩分を控えることも示されています。特定の食品でむくみが消えるという話は出てきません。
Q. 骨格ストレートはむくみやすいと聞きましたが本当ですか?
骨格タイプは骨や筋肉のつき方をもとにした考え方で、むくみやすさを決めるものとして公的な解説に出てくることはありません。とはいえ、脚の見え方の悩みとしては地続きですよね。ご自身のタイプが気になる方は、▶︎骨格診断がわからない人のためのチェックポイントをどうぞ。
Q. 高齢の家族の足がむくんでいます。同じように考えていいですか?
同じには考えないでください。NHSは、心臓・腎臓・脚の静脈の病気と診断されている場合は受診をと案内していますし、薬でむくむこともあると挙げています。年齢が上がるほど当てはまりやすくなりますので、自己判断で様子を見ずに、かかりつけ医に伝えてくださいね。
まとめ|今日の夕方からできること

夕方の脚を軽くするために、要点だけ置いていきますね。
・立ちっぱなしも座りっぱなしも同じくむくむ。姿勢が続くこと自体が原因
・押して跡が残るか、片足か両足か、いつから出たか、薬、ほかの症状。この5つで切り分ける
・即効でやるなら、脚を心臓より高く上げる、着圧ソックス、こまめに立つ
・むくみが引けば元の脚には戻るが、それ以上細くはならない
今夜、寝る前に5分だけ、壁に脚を立てかけてみてください。明日の朝、靴の入り方が少し違うかもしれませんよ。
【参考文献】
・『Swollen ankles, feet and legs (oedema)』(NHS)
・『Leg Swelling: Causes and Dangers』(Cleveland Clinic)
・『Swollen Feet and Ankles: Treatments to Try』(Cleveland Clinic)
・『Peripheral Edema』(StatPearls・NCBI Bookshelf)
・『Breaking of Sitting Time Prevents Lower Leg Swelling』(PMC)
