乾いているのか、脂っぽいのか。自分の肌がどっちなのか分からないまま、なんとなく皮脂対策の化粧品を選んでいませんか。
この状態は、日本でよく「インナードライ」と呼ばれています。表面は皮脂でベタついて見えるのに、内側は乾いた感じが残るという、ちょっとややこしい状態のことですね。
この記事では、まず脂性肌との見分け方をはっきりさせます。そのうえで、なぜ夏に増えるのか、そして「保湿するとベタつくのでは」という不安への答えまでお伝えしますね。
INDEX
自分の肌質が分からない人が、つまずいているところ

肌質が分からないまま迷っている人の声を、集めてみました。
・洗顔したてはつっぱるのに、昼にはテカっている。どっちなの
・脂性肌だと思って皮脂対策をしていたけれど、合っている気がしない
・保湿を足すと、余計ベタつきそうでこわい
・夏になると皮脂が増えて、自分の肌質が分からなくなる
・混合肌との違いも、正直よく分からない
肌質が分からないと、化粧品を選ぶ基準も決まりませんよね。まずは、この「乾いてるのにベタつく」の正体からいきましょう。
インナードライとは?乾燥肌・脂性肌とどうちがう

先にお伝えしておくと、インナードライは医学の用語ではありません。日本の美容の文脈でよく使われている呼び方です。海外の皮膚科の情報では、うるおいが失われた状態は乾燥肌の一部として説明されています。つまり、きっちり線引きされた病名があるわけではないのですね。
ただ、呼び方はどうあれ、中身を理解しておくと選択がぐっとラクになります。カギは、水分と皮脂は別ものだという点です。
アメリカのクリーブランド・クリニックの解説によると、乾燥肌とは皮脂が足りていない状態を指します。また、アメリカ皮膚科学会は、乾燥が進んだ肌のサインとして、粉をふく、かゆみ、ざらついた手ざわり、ひび割れなどを挙げています。
ここからは、この記事なりの整理です。洗顔後の見え方で並べると、こう区別できます。
| 呼び方 | 洗顔してからの見え方 | 手がかり |
|---|---|---|
| 乾燥肌 | 全体につっぱる、かさつく | 皮脂が足りていない |
| 脂性肌 | 全体にテカる | 皮脂が多く出ている |
| 混合肌 | 部位で差がある | Tゾーンだけテカる |
| インナードライと呼ばれる状態 | テカるのに、洗顔直後はつっぱっていた | 皮脂は出ているのに、内側は乾いた感じが残る |
大事なのはここです。皮脂がしっかり出ていることと、肌がうるおっていることは、同じではありません。皮脂は多いのに、内側の乾いた感じは消えない。だから「乾いてるのにベタつく」という、一見矛盾した状態が起こります。
そして、皮脂を敵だと思って取り除くケアばかりを続けると、水分不足のほうは置き去りのままです。手ごたえがない理由は、たいていここにあります。
もうひとつ知っておいてほしいのが、皮脂そのものは悪者ではないということです。皮脂は肌の表面でうるおいを守るふたの役割も担っています。だから取り除きすぎると、肌は「足りない」と判断して、さらに出そうとすることがあります。テカるから取る、取るから出る。この繰り返しに心当たりがあるなら、方向を変えるタイミングかもしれませんね。
30分でわかる、あなたの肌タイプの見分け方

自分がどれなのかは、道具がなくても確かめられます。クリーブランド・クリニックが紹介している方法がシンプルです。
1.やさしく洗顔する。いつもどおりの洗顔料で大丈夫です
2.何もつけずに30分待つ。化粧水も乳液もつけません
3.肌の状態を観察する。あぶらとり紙があれば、Tゾーン(額・鼻)と頬を軽く押さえてみます
30分後の状態で、こう見当をつけられます。
・全体がテカっている → 脂性肌より。ただし洗顔直後につっぱっていたなら、インナードライと呼ばれる状態かもしれません
・全体がつっぱる、かさつく → 乾燥肌より
・Tゾーンはテカるのに、頬はつっぱる → 混合肌より
・つっぱりもテカりも感じない → 普通肌より
・赤みやヒリつきが出る → 敏感にかたむいています。判定より先に肌を休ませてください
洗顔直後の感覚を思い出せない方は、明日の朝もう一度試してみてください。これもこの記事なりの見方ですが、洗った直後につっぱるかどうかは、脂性肌と見分けるときの手がかりになりますよ。
そして、当てはまった先でやることも変わります。つっぱりが混ざるなら「保湿するとベタつく?」の章へ、テカりだけが気になるなら「夏のインナードライ対策」の章へ、赤みやヒリつきがあるなら「その乾燥、セルフケアの範囲を超えていませんか」の章へ進んでくださいね。
なお、同じ解説ではあぶらとり紙は必須ではありません。肌の見え方と感じ方がいちばんの手がかりだとされています。数値化しようとしなくて大丈夫ですよ。
そしてもうひとつ大事なこと。肌タイプは一生変わらないものではありません。夏と冬でも、ホルモンの変化でも変わるとされています。だから「去年の自分の肌質」で選び続ける必要はないのです。
なぜ夏にインナードライが増えるのか|汗・エアコン・洗いすぎ

夏は皮脂も汗も増えるので、いちばん乾燥から遠い季節に思えますよね。でも、夏ならではの条件が重なります。
・エアコン。冷房の効いた室内は空気が乾きます。長い時間そこで過ごせば、肌の水分も奪われやすくなります
・汗をかいたあとの乾き。汗が蒸発するとき、肌の水分もいっしょに持っていかれます
・洗いすぎ。ベタつくからと一日に何度も洗顔すると、必要な皮脂まで落ちて、肌はさらに皮脂を出そうとすることがあります
・紫外線。日差しを浴びた肌は、コンディションがゆらぎやすくなります
・さっぱり系のケアだけで終える。暑いとクリームを省きたくなりますが、水分にふたをしないと逃げていきます
とくに洗いすぎと、ケアの省略は、良かれと思ってやってしまいがちです。ベタつくから洗う、洗うから乾く。この行き来がくせになると、夏のあいだずっと同じ場所を回ることになります。
夏のべたつきそのものについては、▶︎夏のべたつきは汗腺機能の低下が原因?でもくわしくふれています。
保湿するとベタつく?というよくある誤解

「保湿を足したら、もっとテカるのでは」。この不安が、いちばんの足かせになっています。
でも思い出してください。足りていないのは水分のほうです。水分を届けることと、油分でベタつかせることは、別の話です。
やってみてほしいのは、次の組み立てです。
・水分はしっかり届ける。化粧水はケチらず、たっぷりと
・油分は量を調整する。重いクリームが苦手なら、軽めの乳液やジェルタイプで
・ふたは省かない。油分をゼロにすると、届けた水分が逃げていきます
つまりこれは「保湿する・しない」の二択の話ではありません。水分は足して、油分は自分に合う重さを選ぶという、調整の問題なのですね。ベタつきが苦手な方ほど、化粧水をたっぷり、仕上げは軽めに、という配分が合いやすいですよ。
スキンケアの順番そのものは、▶︎肌タイプ別・朝のスキンケアの基本3ステップにまとめています。Tゾーンだけテカる方は、▶︎混合肌のスキンケア方法もどうぞ。
夏のインナードライ対策|今日からのNG・OK

やりがちなことと、置き換え先を並べます。
・一日に何度も洗顔する → 朝と夜の2回にとどめ、日中の汗は押さえるように拭く
・熱いお湯で洗う → ぬるま湯にする
・あぶらとり紙で何度も取る → 取りすぎず、ティッシュで軽く押さえる程度に
・さっぱり化粧水だけで終える → 軽めでいいので、仕上げの乳液やジェルを重ねる
・ベタつくからと保湿を減らす → 水分を増やし、油分の重さを調整する
そして、意外と効くのが環境のほうを変えることです。エアコンの風が直接あたらない位置に座る、加湿を足す、それだけでも肌の乾き方は変わります。日焼け止めも忘れずに。
メイク崩れが気になる方も多いですよね。じつは崩れ方にもヒントがあります。夕方に小鼻のまわりだけヨレる、頬は粉をふいたように浮く。これは、皮脂と乾燥が同じ顔の上で同時に起きているサインです。ファンデーションを厚くするより、朝のスキンケアで水分をしっかり届けて、なじませる時間を待ってからメイクに移る。そのほうが持ちがよくなったと感じる方もいますよ。
なお、化粧品で皮脂の量そのものを思いどおりに変えられるわけではありません。過度な期待をせず、今の肌が心地よくいられる配分を探す、というスタンスがちょうどよいですよ。脂性肌寄りだと分かった方は、▶︎脂性肌さんの正しい洗顔&スキンケアも参考になります。
その乾燥、セルフケアの範囲を超えていませんか

肌からのサインによっては、化粧品を選び直すより先にやることがあります。次のようなときは、皮膚科で相談してくださいね。
・数日ケアを見直しても、赤みやかゆみが引かない
・痛みがある、腫れている、ジュクジュクしている
・症状の範囲がどんどん広がっていく
・しみる、眠れない、メイクができないなど、日常生活に支障が出ている
自己判断で塗り重ねずに皮膚科で相談を。長く続く乾燥やかゆみには、治療で楽になるものもありますよ。
自己処理も肌の水分を奪っている

ここからは、脱毛サロンからの話です。
顔の産毛のお手入れも、じつは肌の水分に関わっています。カミソリを当てると、毛といっしょに角質のいちばん外側も削られます。この層は、水分を抱えておくための壁です。壁が薄くなれば、届けた水分は逃げやすくなります。
夏は汗や皮脂が気になって、うぶ毛の処理の頻度が上がりがちです。剃るたびに乾きやすくなり、乾くから皮脂が出る。ここでも同じ循環が起こります。
だからこそ、剃ったあとの保湿はいつもより手厚く。そのうえで、お手入れの回数そのものを見直すという道もあります。ラココでは、やわらかな産毛から、しっかりした剛毛さんの毛まで、痛みに配慮した光脱毛でケアしていきます。変化のペースには個人差がありますが、剃る機会が減れば、水分を抱える層への負担もそのぶん軽くなります。なお、赤みやかゆみが強く出ている時期は、肌の状態によってはその日の施術をお受けできない場合があります。肌が敏感になりやすい方や、今の肌状態で受けられるか不安な方は、まずカウンセリングで気軽に相談してみてくださいね。
インナードライに関するよくある質問
Q. インナードライと混合肌は、どうちがうのですか?
混合肌は部位によって状態がちがうことを指します。インナードライと呼ばれる状態は、皮脂は出ているのに内側の乾いた感じが残るという、肌全体の話です。ただ、実際には重なることも多いので、部位ごとにケアを変えるという対処は共通ですよ。
Q. あぶらとり紙は使わないほうがいいですか?
使ってはいけないというものではありません。ただ、取りすぎると肌は皮脂を補おうとします。気になるときだけ、軽く押さえる程度にしてみてください。
Q. 夏でもクリームは必要ですか?
水分にふたをする工程なので、省かないでおくと安心です。重さが苦手なら、軽めの乳液やジェルタイプで大丈夫ですよ。
Q. 脂性肌とインナードライは、どうやって見分けますか?
手がかりは、洗顔した直後の感覚です。洗ってすぐにつっぱりを感じるなら、皮脂は出ていても内側は乾いているのかもしれません。逆に洗顔後もつっぱらず、時間とともにテカるだけなら、脂性肌寄りと考えられます。30分の観察とあわせて見てみてくださいね。
Q. 皮脂を減らす化粧品を使えば解決しますか?
皮脂の量そのものを化粧品でコントロールできると約束できるものではありません。皮脂を取ることより、水分を届けることのほうが、この状態には合っています。
Q. 肌質は一生変わらないのですか?
変わります。クリーブランド・クリニックの解説でも、季節やホルモンの変化で肌タイプは変わりうるとされています。年に何度か見直してみてくださいね。
まとめ|その皮脂は、乾きのサインかもしれない

最後に、持ち帰ってほしいことを4つ。
・インナードライは医学用語ではありません。皮脂は出ているのに内側が乾いた状態を指す呼び方です
・皮脂がしっかり出ていることと、肌がうるおっていることは同じではない
・洗顔後30分の観察で、自分の肌タイプに見当をつけられる
・夏はエアコン・汗の蒸発・洗いすぎが重なる。水分は足して、油分は重さを調整する
皮脂を敵にするのをやめると、夏の肌とのつき合いがぐっとラクに感じられる方が多いですよ。今日の夜は、化粧水をいつもより少し多めに、仕上げは軽めに。そこから試してみてくださいね。
【参考文献】
・『What Is My Skin Type and Why Does It Matter?』(Cleveland Clinic)
・『Dry Skin (Xeroderma): Symptoms, Causes, Treatment & Prevention』(Cleveland Clinic)
・『Dry skin: Signs and symptoms』(American Academy of Dermatology)
