この記事では医師や大手クリニックの見解をもとに、肝斑が顔脱毛で悪化するメカニズムや注意点、安全に顔脱毛するための方法、顔脱毛後の正しいケアまで丁寧に解説します。
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肝斑が顔脱毛で悪化する可能性は?そのメカニズムとあわせて解説

結論から言うと、肝斑は顔脱毛の刺激によって悪化することがあります。脱毛時の照射熱や刺激が肌に炎症を起こし、肝斑を濃くしてしまう場合があるからです。
肝斑が顔脱毛で悪化する理由
肌に炎症が起きると、皮膚のメラノサイト(色素細胞)が刺激され、メラニンの生成が活発になり、「炎症後色素沈着」という現象が引き起こされます。
肝斑のある部分はもともとメラニンが過剰に作られやすいため、脱毛時の刺激でさらに色素沈着が進行。その結果、シミが目立ったり濃くなったりするんです。
不適切なレーザーやIPL(光脱毛)はとくに注意が必要
とくに注意したいのが、不適切なレーザー照射やIPL(光脱毛)です。
肌質に合わない強さのレーザーや高頻度の照射は、肝斑を悪化させる原因に。また、IPLは広範囲に光が拡散しやすいのが特徴。一時的には肝斑が薄くなったように見えても、後から再発したり逆に濃くなったりするケースが報告されています。
さらに、肝斑をレーザーで消そうとすると、色素が肌の深い部分に沈着し、かえって改善が難しくなる場合もあります。
強い光や熱の刺激には、肝斑を悪化させるリスクがあるため、肝斑がある方は施術方法を慎重に選び、安全に脱毛を進めましょう。
肝斑があっても顔脱毛できるケースと難しいケース

肝斑があるからといって、顔脱毛をあきらめる必要はありません。ただし、肝斑の状態や範囲、脱毛を希望する部位によって適切な対応が異なります。正しい判断が必要です。
以下では、
・肝斑があっても顔脱毛できるケース
・顔脱毛が難しいケース
・診断によって顔脱毛が可能なケース
について順に解説します。
顔脱毛が可能なケース:肝斑部分と脱毛したい部位が重ならない場合
たとえば、「肝斑は頬にあるけれど、脱毛したいのは口まわりの産毛だけ」といった場合は、顔脱毛できる可能性があります。
ただし、レーザーや光は照射時に周囲へ多少拡散するため、施術前に医師や施術者とよく相談して、慎重に進めましょう。
顔脱毛が難しいケース:肝斑部分を含む顔全体を脱毛したい場合
顔全体の脱毛をしたい場合、より慎重な対応が必要です。肝斑の濃さや範囲によっては、その部分への照射を控えたり、肝斑対策ケアを優先するように勧めたりするケースもあります。
実際、ある専門皮膚科医は「肝斑には安易にレーザーを当てるべきではない」と注意を促しています。
とくに、最近肝斑が濃くなったり範囲が広がったりしている場合は、まず肝斑対策ケアに専念し、症状が落ち着いてから脱毛を検討するほうが安全です。
診断によって顔脱毛が可能なケース:肝斑ではなく他のシミの場合
肝斑ではなく、一般的な日焼けによるシミやそばかすなどの場合は、顔脱毛と同時に改善できる可能性があります。
ただし、自己判断は禁物。シミだと思っていたものが実は肝斑だったり、その逆のケースもあるため、まずは肝斑かどうかを正確に判断することが大切です。
これって肝斑?それとも他のシミ?違いと見分け方を解説

そもそも肝斑とは、頬や額、口まわりなどに左右対称に現れる、薄茶色のシミの一種です。30代~50代の女性に多く見られ、女性ホルモンの影響や紫外線、肌への摩擦などが原因と考えられています。
肝斑と他のシミとの違いを簡単にまとめました。
【肝斑の特徴】
・色や形状:茶色〜灰褐色。境界がはっきりせず、地図のようにぼんやりと広がる
・分布:頬骨周辺に左右対称に出ることが多く、額や鼻の下にも現れる場合も
・変化の傾向:紫外線対策やホルモンの安定で薄くなることもあるが、刺激で悪化しやすい
【一般的なシミ(日光性色素斑)の特徴】
・色や形状:薄茶色〜濃茶色。丸い斑点状で、境界がはっきりしている
・分布:片頬だけなど左右非対称なことが多い
・変化の傾向:自然に薄くなることはほとんどなく、放置すると増えていく
肝斑と他のシミを見分けるポイントは、「左右対称かどうか」「ホルモン変化の影響があるか」「シミの境界がはっきりしているか」の3点です。専門家の指導のもと、適切なケアを行いましょう。
肝斑があっても刺激を抑えて顔脱毛するには?

肝斑のある方が顔脱毛をする際には特別な注意が必要ですが、工夫次第で無理なく進めることが可能です。
ポイントは、刺激や熱を最小限に抑えること。以下では、肌への負担を抑えた脱毛方法を解説します。
刺激の少ない脱毛方法(SHR方式など)を選ぶ
SHR方式(蓄熱式脱毛)は弱いエネルギーでじんわり毛に熱を与える方法です。熱刺激が少なく、肌への負担を抑えられるため、肝斑肌の脱毛にも適しています。
施術中の肌の冷却(クーリング)をしっかり行う
脱毛後の炎症を防ぐためには施術中・施術後の肌の冷却が大切。脱毛による熱や刺激をその場で鎮めることで、肝斑の悪化リスクを軽減できます。冷却ケアを丁寧に行ってくれるサロンを選びましょう。
肌状態に応じて施術を調整してくれるサロンを選ぶ
肝斑への照射を避けたり、出力を抑えたりといった細やかな対応が可能なサロンを選ぶと安心です。事前カウンセリングで、肌状態をきちんと確認してもらえるサロンを選びましょう。
肝斑を悪化させないための顔脱毛後のスキンケア

脱毛後の肌は非常にデリケート。肝斑を悪化させないためには、施術後のスキンケアがとくに重要です。刺激や炎症を抑えるポイントは以下の通り。
・脱毛直後は肌を冷やす(クールダウン)
・紫外線を徹底して避ける
・しっかりと保湿し、刺激の少ないケアを心がける
・摩擦や熱などの刺激を避ける
・肝斑専用のスキンケアを併用する
・脱毛期間中の日常ケア(自己処理)にも注意する
順に詳しく解説します。
脱毛直後は肌を冷やす(クールダウン)
施術直後の肌は赤みやほてりが出やすい状態に。冷たいタオルや保冷剤(タオルで包む)を使ってやさしく冷やしましょう。炎症や色素沈着を防ぐ効果が期待できます。
紫外線を徹底して避ける
顔脱毛後は肌が紫外線の影響を非常に受けやすくなっています。最低2週間は直射日光を避けるようにしましょう。
外出時は日焼け止め(SPF30・PA++++以上)を2〜3時間おきに塗り直し、日傘や帽子などで紫外線を遮ることが大切です。
しっかり保湿し、刺激の少ないケアを心がける
顔脱毛後の肌は乾燥しやすいため、敏感肌向けの化粧水やクリームでしっかり保湿しましょう。洗顔も刺激を抑えるため、優しくぬるま湯ですすぎ、肌を擦らないようにしてください。
ピーリング剤、レチノール、アルコール配合の化粧品や刺激の強いメイクは肌が落ち着くまで控えましょう。
摩擦や熱などの刺激を避ける
顔脱毛の後、数日は摩擦や熱刺激を避けましょう。タオルで強く拭くこと、熱いお風呂、サウナなどはNGです。
脱毛後に生えてきた毛を抜くのも厳禁です。気になる場合はカミソリで優しく剃るか、ハサミでカットする程度にしましょう。摩擦の少ない電気シェーバーを使うのもおすすめです。
肝斑専用のスキンケアを併用する
肝斑ケアとして、美白成分(トラネキサム酸やビタミンC誘導体など)が入った化粧品を併用すると安心です。ただし、脱毛直後の敏感な肌には刺激になることも。肌が落ち着いてから使用してください。トラネキサム酸の内服薬などを活用する方法もあります。
肝斑と上手につき合いながら安心できる顔脱毛を

肝斑の特徴をしっかり理解し、ポイントを押さえて施術を選べば、安心して顔脱毛できます。
肝斑が脱毛で悪化する主な原因は、「熱や刺激による肌の炎症 → メラニンが増加 → 色素沈着が進行する」という仕組み。そのため、肝斑がある場合は、刺激の少ないSHR方式を選び、照射の出力を適切に調整することが重要です。
ラココでは、SHR脱毛を採用し、肌状態に合わせた照射調整や丁寧な施術後のケアも行っています。「肝斑があるけど顔脱毛したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
肝斑とうまくつき合いながら、なめらかで美しい肌を手に入れましょう。
